CASE STUDIES
導入事例
内閣官房 内閣人事局様 導入事例
(左から)内閣官房 内閣人事局 企画官 玉井 淳平 様、 マネジメント向上担当 専門官 鈴木 勇作 様
昨今、霞が関では、国家公務員の志望者数の減少傾向や若手職員の早期離職傾向が顕著となっている一方で、複雑多様化する行政ニーズに的確に対応した政策立案や質の高い行政サービスの提供などが求められているといいます。
そうした中、平成26年10月17日に女性職員活躍・ワークライフバランス推進協議会で決定した「国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針」(令和3年1月29日一部改正)においては、「マネジメント改革」が今後の働き方改革における主軸に据えられており、政府全体として、幹部・管理職のマネジメント能力を向上させるための取組を推進しているとのことです。
このような背景から、内閣官房内閣人事局様から「マネジメント学び合いの場ファシリテーションマニュアル・解説動画」の制作をご依頼いただきました。
ご依頼いただいたきっかけから、制作の過程や今後の活用方法まで、内閣官房内閣人事局企画官の玉井淳平様とマネジメント向上担当専門官の鈴木勇作様にお話をうかがいました。
◆このたび「マネジメント学び合いの場ファシリテーションマニュアル・解説動画」の制作をご依頼いただいた理由について、お聞かせください。
(鈴木様)
私たちは、幹部職員や管理職員のマネジメント能力の向上に資するよう、高い組織成果を出すことを目的に、マネジメント手法を紹介した「国家公務員のためのマネジメントテキスト」の策定・改訂や、これに基づく管理職員向け研修を企画・実施しています。
今回は、これらの取り組みによる知識習得(=「わかる」)の次のステップとして、マネジメントの実践・定着(=「できる」)を図るため、経験学習サイクルを回す「マネジメント学び合いの場」を各省庁が実施する際の支援となるよう、「マネジメント学び合いの場ファシリテーションマニュアル・解説動画」の制作を依頼させていただきました。
◆依頼から撮影までの流れや、収録当日の進行はいかがでしたでしょうか。
(玉井様)
タイトなスケジュールでしたが、準備を円滑に進めることができました。
また、収録に際しても、当時の進行に関する情報を詳細にいただけたので、事前の調整も含めスムーズに行うことができました。
◆今回のマニュアルは、ポイントごとに動画を挟む構成で作成しましたが、納品させていただいたマニュアルと映像のクオリティはいかがでしたか。
(玉井様)
動画は納得感のあるものとなっており、また事前に打ち合わせを行ったこともあり、出演されている方のキャスティングも含め、我々の考え方が反映した違和感のないものに仕上がっています。
動画については、我々が示した資料の内容にあわせて台詞の表現などを工夫いただいたので、よりご苦労があったのではないでしょうか。
◆「マネジメント学び合いの場ファシリテーションマニュアル・解説動画」については、今後どのように活用されるのでしょうか。
(玉井様)
今回の一番の目的は、国家公務員の管理職のマネジメント力を上げることですが、この方法には2段階あります。
1段階目としては、マネジメントにおいては、部下の成長支援をしっかり行うことと、心理的安全性を確保し、風通しの良い職場作りが大事であることを知ることです。これまでは、マネジメントにおいて必要な知識をインプットするためのテキストをブラッシュアップしてきましたが、テキストを読むだけでは十分ではなく、むしろ、失敗も含めた経験学習を通してレベルアップしていくことが求められます。これが2段階目となります。
これまで、霞が関では、研修を使った知識付与の取組には力を入れてきましたが、ではそれをもとに、すぐに現場で実践できるのかと言うと、そこは意外に盲点になっているのではないでしょうか。
各省庁では、これまでもマネジメント研修等を実施してきましたが、実践的なマネジメント力を上げるためには「マネジメント学び合いの場ファシリテーションマニュアル・解説動画」が必ず役に立つと思います。
今後、各省庁に対して広報活動を進め、実績を積み重ねていけば、10年後には、このマニュアルと動画がありとあらゆる省庁内で流れていると思われますし、個人的にもそれを願っています。
◆制作物をご利用いただくことで、課題解決につながりそうでしょうか。
(玉井様)
そう思っています。そしてもう一点付け加えると、先ほど申し上げたとおり、霞が関では多くの研修が行われていますが、今まで実施してきた研修では、教える先生と学ぶ生徒の構図が中心となっているため、みんなで学び合うファシリテーションというスタイルはあまり馴染みがないのです。
今回制作いただいた「マネジメント学び合いの場ファシリテーションマニュアル・解説動画」は、マネジメント以外のテーマでもファシリテーションマニュアルとして活用できるので、これを機に、みんなで学び合うという風土・文化が国家公務員組織全体に広がっていけば嬉しいです。
◆今回のご利用にあたって、全体の印象・感想をお聞かせください。
(玉井様)
最初から最後まで一貫してチームでご対応いただいたことは、スムーズな進行につながったと思います。
また、制作の過程で細かい指摘を色々とさせていただきましたが、一つひとつ丁寧にご対応いただきました。
◆最後に、今後の展開についてお聞かせください。
(鈴木様)
現在、マネジメント向上担当では、チームとしての共通の目的として、「人を活かすプロフェッショナルとして新時代のマネジメントを共創し、個人が幸せで能力を発揮できる組織への変革を遂げることにより、国民に期待される行政で在り続ける」ことを目指しています。
今後は、「マネジメントテキスト(知識付与)からマネジメント学び合いの場(実践・定着)、そして多面観察(診断)へ」といった、好循環サイクルを回す取り組みを検討していく予定です。
——- 内閣官房内閣人事局、玉井様、鈴木様、ご協力くださいまして、誠に有難うございました。